[Ukyo in Action] 京都民際日本語学校 


取材・執筆:前川文音、山中雛

上田直紀さん(副理事長) 

松野泰司さん(国際事業部長)

京都民際日本語学校には様々な国から日本語、そして日本文化を学びに来られます。校名の「民」は「人(民)と人との交流」、「民際」は「異なる文化の人同士の交流」を意味し、日本語と日本文化の教育を通して、人と人との交流を大切にし、グローバルに活躍できる国際人を育て、世界平和につなげていきたいという想いが込められています。今回のインタビューでは副理事長の上田直紀さんと国際事業部長の松野泰司さんに協力いただき10個の質問に答えていただきました。

お二人は京都民際日本語学校(以下、「京都民際」)で勤務されてどのくらいですか?

上田:資源開発の企業で働いていましたが、経営の仕事に携わりたいと思っていたところお話をいただき、2019年の10月から勤務しています。

松野:京都民際が運営している日本語教師養成講座で3ヶ月間の講座を修了したことをきっかけに、2009年から勤務しています。

京都民際の中でのお二人の主な仕事や役割は何ですか?

上田:地域社会や国際社会に必要とされる学校作りを目指して経営をしていて、教職員がやりがいを持って働けるような職場作りにも取り組んでいます。

松野:主に海外で説明会や面接をして留学生を連れてきたり、留学のために必要なビザの申請の手伝いをするなど、営業に関わること全般をしています。

京都民際で、毎日または毎週行われる仕事や活動にはどのようなものがありますか?

上田:教務部門では学生に日本語や日本文化・進路の指導を、事務局では学校の運営や学生の管理・国や行政とのやりとりを行っています。また、去年から始まったオンラインビジネス事業部では、オンラインレッスンやSNSを使った情報発信を行っています。

松野:年4回ある入学時期に合わせて留学生のビザの申請を行うことがほとんどですが、他にも学校説明会やエージェントとの商談なども行います。

京都民際の生徒さんは、主に何を目標として日本語を学びに来られますか?

松野:本校にはコースが2つあり、長期コースでは日本の大学・大学院・専門学校への進学を目的とし、短期コースでは、日本で就職したい人や母国で日本語を使って仕事をしたい人などが勉強しています。

京都民際の中で、最もやりがいを感じることは何ですか?

上田:毎日コツコツと取り組んでいることが積み上がっていき、自分が関わった事で学生や教職員が昨日より一歩でも成長したなと感じられる瞬間にやりがいを感じます。

松野:現地の学生募集の面接の時から学生に関わっているので、その学生達の成長を見るのが一番のやりがいです。最初は全然日本語が話せず外国語で会話していたのが、だんだん日本語に変わってきたり学生たちが日本語で話し合っているのを見ると、仕事をしていてよかったなと思います。

—京都民際日本語学校の設立に、右京区を選ばれたのはなぜですか?

上田:京都は歴史・文化・伝統・芸術が有名で、教育や観光にも力を入れているので、留学生が日本について学ぶには最適だと思い選びました。中でも右京区は、勉強のしやすい静かで落ち着いた環境であり、京都の中心地なのでいろんな方面にアクセスしやすいと思いました。

右京区の日本語学校として、これまでにどのような地域との関わりがありましたか?

松野:以前、右京警察署から観光地で流すためのアナウンスのレコーディングを依頼され、5つの言語のお手伝いをさせていただきました。今でも嵐山の竹林では、当時の学生たちが行ったアナウンスが流れていると思います。

お二人それぞれが、今までの経験で、京都民際について一番印象に残っていることは何ですか?

上田:コロナウイルスが感染拡大し、学生達が思い通りの生活を送れていないと感じていた時、地域の方や起業家の方達が学生の夢を応援するために食料などを寄付してくださいました。そしてそれを学生達に配布した時の嬉しそうな笑顔を見たときに涙を流し、学生達のために頑張っていかなければならないなと思ったことが一番印象に残っています。

松野:インドネシアの大学で3年間日本語を教えた生徒のことです。当時彼女は全然日本語ができない状態でしたが、彼女が大学を卒業した後本校に留学し、その後、日本語能力試験のN1を取得してくれました。そしてさらに彼女は日本の会社に就職することができました。

今後、お二人、そして京都民際が地域社会でより大きな役割を果たすには、どのような方法があると思いますか?

上田:デジタル化を教育に導入し、地域の方達と連携して地域の課題に取り組んでいくことができたらと思います。

松野:特に東南アジアで日本語の勉強をしている人が介護士不足に着目しているので、介護施設と介護士になりたい人とのマッチングをうまくできたらと思います。

最後に、京都民際が最も大切だと考えていることを教えてください。

上田:民際の教育理念である「日本文化の学びを通してお互いの考えや育った国、地域文化を理解し受け入れ、愛することができる国際人を育てる。国と国の交流ではなく、人と人との交流を日本語と日本文化を通して学び、お互いを理解する心を培うことにより、世界平和に繋げていく。」を地域の方達にも理解していただき、一緒に作り上げていけたらと考えています。