[Living Histories] 徳丸國廣さん
取材・執筆:前川文音、山中雛、中辻凌
徳丸國廣さんは、特定非営利活動法人フロンティア協会の代表理事として活動されていて、右京区内まちづくりの先駆者とも言えるような方です。また、右京区基本計画・まちづくり支援制度にも委員として携わられていました。今回は徳丸さんに協会のこと、そして右京区のことについてインタビューしました。
—出身はどちらですか? また、右京区に住まれてどのくらいですか?
徳丸:出身は左京区で、中学2年の時から右京区に住み続けています。
—フロンティア協会を設立する前、何をしておられましたか?
徳丸:自営業と、趣味としてモータースポーツをしていました。
—フロンティア協会の名前の由来は何ですか?
徳丸:将来を開拓していこうという意味が込められています。そして、今までお世話になった人に恩返しするという意味も込められています。
—フロンティア協会の設立に右京区を選んだのはなぜですか?
徳丸:協会を設立する前に、スポーツの競技会場を右京区に作りました。ですが、そこで走り回っているばかりではなく、環境保全活動もしたいと思い仲間に呼びかけて、現在のフロンティア協会の設立に至りました。
—フロンティア協会では今までにどのような活動をしてこられましたか?
徳丸:私たちにしかできない地域に根ざした様々な活動を行っています。例えば、右京区役所内にMACHIKO(まちづくり交流拠点)という、まちづくり活動に関心のある地域の人々の活動の場の開設に携わりました。
—フロンティア協会が最も大切に考えていることはなんですか?
徳丸:協会設立から20年以上経ちますが、活動の趣旨が少しずつ変わり、今は子供を中心にした社会づくり、そして未来を背負っている子供達に様々なことをどう伝えていくのかを主な目的として活動しています。
—その子供達との活動は右京区内のみでされているのですか?
徳丸:大きくやってしまうと回らなくなってしまうので、この地域の子供達をしっかりとサポートできるように、今のところは右京区だけで活動を行っています。
—では、その活動には具体的にどのようなものがありますか?
徳丸:50人くらいの子供達が神社で大きな太鼓を体験する活動があります。この活動は日本の文化の勉強にもなり、とても貴重な体験だと考えています。また、子供が来ると、その子供のために一家全員が来るので、(たくさんの人がイベントに参加するという)相乗効果が生まれると考えています。
—フロンティア協会での活動の中で、最もやりがいを感じることは何ですか?
徳丸:子供達の歓声や笑い声が聞こえてくるとやりがいを感じます。
—海外に何度か行かれたことがあるそうですが、海外で同じような活動を見られたことはありますか?また、その活動を見て同じ部分や違う部分はありましたか?
徳丸:見たことがあります。私が初めて海外に行ったのは20数年前だったのですが、そこで感じたのが貧困の度合いの差です。命を無くすかどうかのギリギリのところで救済される子供がいたり、日本とは全く異なるものでした。
—フロンティア協会におけるゴール(目標)はなんですか?
徳丸:継続することの大切さをみんなに伝えていくことです。
—ここからは右京区のことについて質問させていただきます。右京区の好きなところはどんなところですか?
徳丸:歩いて行ける距離の中に文化と芸術が凝縮しているところです。
—右京区の中で気に入っておられる場所はありますか?
徳丸:冬の嵐山です。人が少なく雪が降っても綺麗だからです。
—右京区が他の区と違う、特別だと思うのはどのようなところですか?
徳丸:現在、フロンティア協会の拠点を太秦に持っているのですが、住民との密着度の高さをとても感じます。
—右京区が改善するべきところはどんなところですか?
徳丸:東西の道路はたくさんあるのに対し、南北の道路が少ないことですね。
—右京区を一言で表すなら何ですか?
徳丸:歴史文化だと思います。世界遺産がここまで凝縮しているのは珍しいと思います。
—最後に、学生に向けてメッセージをお願いします。
徳丸:学生生活を学校の内部だけで終わるのではなく、外部の人たちとたくさん話して、いいコネクションをたくさん持ってください。